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2022年7月の続き

夫が生き物を拾ってきた。ずっとついてきて手を伸ばすと寄ってくるので、保護するしかなかったと言う。住宅街から離れたところにいたから、捨てられてしまったんだろうか。閉店間際のホームセンターで餌を買ってくるも、食べずに寝てしまった。

生き物が気になって早く起きる。弱っていたから心配だったけど、水を飲み、餌もよく食べている。

交番に生き物の拾得物届を出しに行く。そこにいた警察官は、生き物も拾得物届を出せることを知らなかったらしく、にこにこしながら「うちじゃ無理なんですよー」と言い、一見優しいが、これは迷惑な人向けの対応をされているな、と思った。「飼い主が探していたらどうするんですか?」と強気に聞き返すと、ぶっきらぼうにコピー用紙を取り出し「じゃここに連絡先書いといて」と言われる。ここで心が折れてしまい、拾得物届を出すことを諦めて一旦家に帰った。

受けられるはずの公的な手続きが出来ないということは、こんなにも悲しいことなのか、と思った。これが生活保護など、生活や命に関わることだったら、どれだけ絶望してしまうだろう。

夫に事の顛末を話すと、深夜に交番に行き、私が受けた対応と拾得物届についての相談に行ってくれた。深夜にややクレームと生き物の相談にくる人こわすぎるだろう。夜勤の人は親身に話を聞いてくれたみたいで、朝になったら電話をくれることになった。

結局交番の対応は間違っていたということで、警察官が家まで来て謝罪と拾得物届の手続きをしてくれた。ただ生き物は管轄の警察署では預かれないということなので、飼い主が現れるまで、家で保護することになった。