東京は人の住む街ではないと思っている。

僕が東京に来てすぐに書いた文章でこんなものがある。
東京が何故過ごしやすいのか
東京は、人が過ごしやすくなるように作られた街だから。
人が過ごしやすくなるように設計され、人が育ちやすいように作られている。
そこにあるのは人と、人が作った自然(人工物)との関係性だけ。人と自然が共生しているわけではなく、人と人が選んだ生き物が暮らしている。
人と自然との対話ができない。
すでに対話や侵略が済んだ後だから。

こんな文章を書いた後に、
僕は今住んでいる団地でネジバナとか、オニユリとか、ニホンタンポポを見つけたりした。

何を言っていたのか。
先日は、団地のお風呂の下の木がネズミにかじられていて、管理人に言ったけど傷を見もしないで、木が腐ってるだけだ。と言われた。この野郎と思った。

東京は人が多すぎる。
人が多いから、人が住みやすい環境に最適化されているように見える。でも、実際そうでもないというか、人が多すぎて、環境が破裂してる。僕の感性や精神も詰め込まれている。

もうたべきれないよ~って。目に見えないカビゴンが言ってる気がする。

これも東京に来てはじめの方に思ったのだけど、
東京の空は思ったより狭くなかった。
どちらかというと平行で、僕に平行に広がっている。
長野の空は高かった。福岡の空は出身地だからだろうけど、丁度いい丸みを感じる。
東京はエッヂなのかな。
空の高さについてよく考えると、宇宙に近いのは長野の方なので、東京の空のほうが本当は高いのだ。

東京の空が平行だったり、エッヂだったりするのは、地下になにかあるかもしれないという恐怖から来ているのかもしれないと思った。
地面が深い。安定していない。
長野の地面も、福岡の地面もなんか安心する。
いつか、東京の地面に埋まっているいろんなケーブルや、土管や、水なんかがまとまって怪物になって襲ってくるんじゃないか。そんな気もしている。

とりとめがなくなったけど僕は東京も好き。
人が住む場所ではないと思うけど、訪れる場所や、遊ぶ場所としては丁度いい。
都心の方に来るにつれ、不安は広がるけど、その周りはそうでもないし、お寿司とケーキが美味い。
文化~!!って感じがする。
人が多すぎることでしか成り立たないものもあって。そういうのも面白い。
不安も、モノゴトの多さも寿司もケーキも、面白い植物も、近くの人工池にいるらしいまだ見ぬカワセミもみんながみんなで東京を東京足らしめている。
生きていくのは大変だ。