「現実に依拠して絵を描く方法をあらためる 振出しに戻る これは呪いに似てるのでは」(2020/0726)

常日頃より自分の愛はみえないものにされてしまう、まるで透明人間のようだ、と散々揶揄してきた。

まちがってもすぐに愛などと口に出すことは自分には不相応だし、はっきりと嫌いだったので、その手の当事者にならぬよう気をつけていた。本当の愛を知っているということは、安易に愛について語ったり、愛とは何かを問うたりすることではないと信じていたから。愛に満ち溢れ、愛を与えることのできる人は、直接言葉を用いなくとも全身で愛を体現するはずで、それこそが自分の考える愛のかたちだった。

わたしの愛がこれまでの人生で多少なりとも存在していることがあったにせよ、どこにあるのかわからないぐらい薄くてぼんやりしていて、なおかつ穏やかでゆるやかだった、あるときは一方的でぶしつけでいびつな型だった。

私はたぶん、愛への幻想を制御できないほど膨らませて、物質としての愛しか見えなくなっていたんだ。

いまの東京はさほど魅力的だとは思えないという話をしてくれた女性、3年前に好きだった女の子、そして私を愛の世界へ引き摺り込んでくれたあなた、まだ愛をしらないわたしときみへ

愛がなくても生きてはいけるが、なければ退屈でしにそうになる。わたしはこの先の人生を賭けて愛を確かめ、その実体をつかみたいとおもってる。