今年1年を漢字1字で表すとしたらなに、という話になって、今年ももう残りわずかなのだと気づく。体感的にはまだ7か月くらいしか経っていないような感じがする。4〜6月になにをやっていたのか覚えていない。この3か月が今年はなかったんじゃないかとさえ思う。

今年1年を漢字1字で表すとしたらなにか。パッと思いついたのは「早」だったけれども、思考が停止した回答にも思えて、もう少し丁寧に考えてみると、「楽」という文字が浮かんだ。決して楽ではなかったけれども、楽しかった。かなり身構えていた大きな案件も、蓋を開けてみればずっと楽しかったし、今年は仕事でいろんなところに行けた。パニック障害になって以降、また苦手になってしまった飛行機も克服しつつある。これまでの出張案件は大変なことばかりで、楽しさがほとんどなかったけど、今年の出張案件はどれも楽しかった。これからも自分のものではないお金でいろんなところに行きたい。

そういえば今年は厄年だったはずで、でも大変なのは年明けの1か月だけだった。年明け早々風邪をこじらせ、声が出なくなり、そんな無茶なみたいな管を無理やり鼻から入れられてえずいたら先生に怒られた。それがおさまったかと思えば、母親がコロナになり、それがちょうど実家に帰っていたタイミングだったので、1週間実家に軟禁された。それがたった1か月の間で起こった。それからは厄を感じる出来事はほとんどなかった。

ずっと願っていた穏やかな生活を手に入れて久しい。そのうち、自分のなかからこれをやりたいといった衝動のようなものが枯れていっていたことに気づいたけれどももう遅い。取り戻したいとすらあまり思わない。なんか退屈だなーという毎日のなかで、時間をゲームに溶かしている。穏やかで最高じゃないですか。自分はそっち側に行くことなんか絶対無理だろうなと思ってた生活が手に入ったんだから感謝すべき。

それでも今年1年が「楽」しいと思えたんなら、それはかなり幸運なことだと思う。もしかしたら楽しいことにずっと身を置いていたら、そのうちまた衝動がよみがえってくるのかもしれない。いつだってないものをねだる。人生がだんだんリハビリみたいになってきた。