2月3日(月)晴れ

7時半起床。裸のまま学校からなかなか出られない夢を見る。山瀬まみが「レモンサワーを飲まなきゃ」と騒いでいた。走る準備で1時間くらい起きてたけど、疲労感がすごくて二度寝。10時半に起きる。

Amazonのウィッシュリストに長いこと入っていた『猫が行方不明』のDVD・Blu-rayが再発されるらしく、発売日が妻の誕生日あたりだったので予約注文する。ねこのグリグリがいなくなる話。うちにいたくろねこのグリの名前の由来にもなった映画だ。

11時過ぎにランニング。5.5キロ。走りながら、悩んでいたデザインに光明が見える。なんでも理屈とは思っていないけど、自分の感覚をあてにしていない以上、やっぱり理で詰めていくしかない。

午後から作業。とりあえず先にラフをクライアントに送って、「こういうことの判断に迷う」「こういう情報のバランスでいいか」「これからこうするつもり」というのを伝えておく。そこからゴリゴリ作業。途中、雑誌「2nd」に載っていた江森さんのインタビューをさらっと読み返す。「お前は間違ってない」と背中を押してほしいのだと思う。

光明を得たデザイン作業はサクサク進む。自分の中の答えがわかっているので、やるべきこともわかる。果たして、当初全くイメージできていなかったけれども確かにこうなるよなというものができる。答えがわからないデザイン案件、悩むのはしんどいけど答えを探す過程がたのしい。

妻が早めの夕食を作ってくれたので、「美味しんぼ」を見ながら食べる。夕食後なのにまだ19時前。20時前に長めに風呂に入って、かなり疲れていたので21時ごろ就寝。

2月4日(火)快晴

6時前起床。途中何回か目を覚ましたけど、たっぷり寝られて満足。普段より1時間以上早い8時過ぎからランニング。6.5キロ。寒い方が走りやすい。

洗濯をし、朝食を食べ、まだ10時。午前中のうちに仕事が片付く。気がつけば今抱えてる仕事が全くなくなっていた。GTDで言うところのinboxに何もない状態。こんな状態は数年ぶりだ。つかの間のことだとはわかってるけど、非常に清々しい。GTDすごい。GTDやってないけど。

午後からは机周りや本棚、文具を入れている引き出しなどの整理。

夕食は妻が海鮮丼を食べたいと言うので、刺身を買って海鮮丼をつくった。先日買ったギヨーム・ブラックのBlu-rayを観ながら食べる。『遭難者』という短編を観たのだけど、フランス映画は「ながら見」するものではなかった。おそらく味わわなければならないのであろうニュアンスが掴めない。長編『女っ気なし』の方を、夕食を済ませて、温かい飲み物を淹れて、部屋を暗くして観た。これはとてもよかった。

日付が変わる前に寝る。

2月5日(水)薄曇り

6時前起床。何時に寝てもこのくらいの時間に起きるようになってきた。

ランニング。6.5キロ。日記を書いていると、見栄なのかサボらないような気がする。

朝食、洗濯、洗い物。時間に余裕がありすぎるので、家中のタオルを取り替えたり、食器を片付けたり、着ない服を仕舞ったり、「丁寧な暮らし」をする。

デザイン案件の修正メールが来たのでとりあえず返信。デザインの答えはクライアントが持っているものだと思うので、注文や修正依頼は多い方がありがたい。

午後、心療内科へ。年末からまたパニック発作の軽いのが出るようになり、通院することにしたのだけど、もらった薬をほとんど飲んでなくてシリアスさに欠けている。今回もそんなに安くはない診察代・薬代を払ったものの、きちんと飲まないのだろう。シリアスさに欠ける理由として「最近発作が出ないから」「ランニングと筋トレをしているから」がある。来月の診察予約もしたけど、行けるかどうかあやしい時期なので、なんだかんだでキャンセルしそうな気がする。

その後、病院の近くにあるおしゃれな雑貨屋さん巡り。いいものを見るのはいい。何をもっていいものと判断しているのか、また、それを購入した場合、自分の生活がどうよくなるのかを考える。考えるだけで、買うわけではないのだけど……。珍しく皿に一目惚れをして、値段を見たら2,500円と全く手が出ないわけではなかったけど、結局買わなかった。あの皿に見合うようなものを食卓で食べていないので。

ブックオフ経由で帰宅。今日は餃子パーティーをすることになっており、餃子を100個近く作って半分くらい食べた。ひさしぶりにビールも飲む。

日付が変わるか変わらないかくらいの時間に寝る。

2月6日(木)晴れ

5時過ぎ起床。いくらなんでも早起きが過ぎる。軽い胃もたれ。昨日の餃子のせいだろう。明るくなるまでダラダラ過ごす。この時間に仕事を片付ければよかった。

8時半ごろランニング。最低気温が3度なのに現在の気温は2度。5.5キロ走る。

シャワー、洗濯、朝食。最近毎日晴れてるので最高。

デザイン案件は大量の修正が2件重なり、ウームとなるけど淡々と片づけていくしかない。2時間半くらいで集中して終わらせる。

午後の予定が明日にずれたので、自転車で適当にうろつく。目当ての古本屋が臨時休業。仕方なくさらに遠くの書店まで行く。書店を歩いていると、急に軽めの予期不安と緊張がきた。逃げ場のないところでの緊張は多々あるけど、こういう、どうとでもなるようなところで症状が出るのは初めて。自律神経がかなり乱れてるのだと思う。いつも持ち歩いている頓服薬を飲む。昨日、「たぶん薬飲まねえ~」「病院キャンセルするかも~」と言っていた自分に、「お前明日自律神経ヘロヘロだぞ」と教えてやりたい。思い当たる原因としては、連日の早起き(による寝不足)がある。いつ寝ても6時前後に起きるの、健康健康~と思っていたけど自律神経がギブって言ってたらしい。ごめんね。起きたくて起きてるわけでもないんだけど、もう少し寝る努力をしてみる。

書店にいても落ち着かないので帰る。道すがら、meldの難波さんに教わった銭湯を見つけたので入る。サウナは入浴料に上乗せしてお金を払うシステムで、割高な印象。自律神経を整えるために必要な出費なので、惜しみなく払う。

昔ながらの銭湯で、お風呂が熱い。サウナなくてもよさそう。湯に浸かると「あーー……」と心から声が出た。身体を温めて、サウナに挑む。

狭いサウナには、タトゥーっていうかガチの紋様の方がいらっしゃり、その数もひとりやふたりではないので、「なるほど」となる。なるほど。イスラム教徒の女性で目のところ以外を覆った格好をしているひとがいるが、そのようなスタイルで、ただし顔以外は全てさらけ出されたスタイルでサウナに入っている方がいて、どうもこの時間のサウナのヌシのようだった。ヌシにこのサウナでの作法を教わる。ガチの紋様の方々もヌシには敬語だった。

水風呂が非常に冷たく、上がった後の感覚が不思議。2セットを済ませて、ジェットバスに入ってから上がる。かなり身体はほかほか。整った、と思う。気のせいかもしれない。

帰宅後、薬で落ち着いたのか眠くなる。妻が買い物に行って簡単な炒め物を作ってくれたのでそれを食べ、風呂に入って日付が変わる前に寝る。

2月7日(金)曇り

5時起床。1時間ほどダラダラ過ごし、二度寝に挑戦。成功し、8時半に起きる。夢に昨日の紋紋の方が「相澤さん」という写真家として出てきた。

今日は朝から外出するのでランニングはなし。急ぎ目で準備をする。

夕方まで演劇公演の仕込みの手伝い。京都出張が決まったため週末の公演を観ることができず、お詫びというわけでもないのだけど顔見せも兼ねて。最近の自律神経の不調の話などをする。

夕方、meldの難波さんにお会いして、「自家中毒」をお渡しする。高石さんの文章がとてもよいので読んでほしいと申し添えて。今度ご飯に行きましょうと約束。

帰ると妻が鍋を作ってくれていた。身体も心もあったまる。最近夕食時にプライムビデオで「美味しんぼ」をよく見るのだけど、今日見たのは、強力粉を水にさらしながら揉んでガムの代用品を作るという貧乏くさい話。

夜、meldのアカウントで、すごく贅沢な音楽イベントの告知があった。企画力がすごい。日程的に行けそうにないのが残念。3月末、イベントが目白押し過ぎる。

明日の京都出張に備え、日付が変わる前に寝る。

2月8日(土)曇り

4時半起床。どうなっているのか。仕方がないのでそのまま起きて、溜まっていた家事と簡単な仕事を済ませる。寝るのは新幹線でもできるし。

少し早めに家を出る。土曜とはいえ博多駅までの道はやや混んでいた。駅弁とお土産を買って、新幹線を待つ。その間にmeldのツイッターアカウントで「自家中毒」の感想がつぶやかれているのを発見。本をお渡しした際、難波さんは「今日中に読みます!」と言ってくださったのだけど、本当に読んでくださってて感動した。

新幹線に乗車。博多~小倉間で駅弁を食べる。折尾のかしわ飯。北九州の人間は(厳密に言えば僕は北九州の人間ではないのだけど)、駅弁といえばこれ。

京都まで3時間弱。読書(1時間弱)、睡眠(1時間)、仕事(1時間)という構成を考えているのだけど、あっという間に着きそう。無理やりにでも睡眠は取っておかないと、後がきつくなるので努力する。結果的に、読書(0秒)、睡眠(20分)、仕事(30分)、ダラダラ(2時間)という過ごし方に。

今回の京都出張は簡単に言うと取材してインタビュー。のはずだったのに、韓国人も交えてのワークショップに参加することに。適当な英語と、その場で覚えた韓国語を駆使してコミュニケーションを取る。おもしろい。おもしろいと思えるのはここが日本で、基本的には母国語が通じる環境で、たまに英語や韓国語を使えばいいというある種の甘えが許された状況だからかもしれない。このところ『やがて忘れる過程の途中』を読んでいるので(出張のお供にも持ってきた、結局1ページも読まなかった)、そういうことを考えてしまう。

ホテルにチェックイン。テレビをつけたものの、そのまま意味が入ってくるものを聞く気になれなくて、BBC Newsのチャンネルにする。日記をちょっと書き、近くのラーメン屋で鶏白湯ラーメンを食べる。そのままぶらぶらしてみたところ、本物のパンを使って作ったランプ(パン+ランプシェードでパンプシェードというらしい)を見つける。妻がパン好きで、このランプも見たら絶対一目惚れするだろうなと思ったのだけど、おみやげに買うにしては高い。「こんなのがあったよ」と報告したのち、高いと言っても死ぬほど高いわけでもないしと思って買う。かわいいパンが光るんだよ? かわいい。

ホテルに戻って少し休んだのち、観劇+インタビュー。言語化しにくいものを言語化する作業は脳がとても疲れる。

早起き+睡眠不足+脳の疲労でへとへとに。ホテルに帰って風呂に入って缶ビールを飲んで日記を書く。高石さんから「自家中毒」の感想をDMでいただく。「こう読みました」と言っていただけたのが、言われてみるとなるほどと思う捉え方でうれしい。

充実した長い1日だった。

2月9日(日)雪

6時前起床。もう6時前が遅起きの域に達してきた。ホテルで寝るのは難しい。ぐっすり眠れるかどうかは運みたいなところがある。布団が暖かくて、起きたらかなり汗をかいていた。10時まで風呂に入ったりうたた寝をしたりして過ごす。

外に出たら雪が降っていた。この冬初のYukiga Futte Uresii。バスでホホホ座浄土寺店を目指す。

開店時間ちょうどに着いたところ、店がまだ薄暗い。と思っていると、店舗に対してかなりの角度、かなりの距離(ゼロ距離)で停車する車が。店主の山下さんだった。「すぐ開けますね!」と言って開けていただく。

平積みしてあった「自家中毒」を指し、これこれこういう者だ(fmmzkだ)と自己紹介。ホホホ座は隅から隅までたのしく、何時間いても飽きなさそうだったけど、帰りの便の都合で1時間ほどしかいられず残念。山下さんと少しお話しさせていただく。ホホホ座の上でリソグラフ印刷ができるようになったので、今後「上で刷って下で売る」というのを展開していくとのこと。毎月山下さんの「先月の日記」を売るそうで、僕も2月から日記を書き始めたんですよ、と話す。ホホホ座の印象、日記の文体、日記には書かないようなこと、仕事のこと、これからのことなど。「ホホホ座っていうジャンルで本を仕入れているので、どの本をどこの棚に置いても成り立つんですよ」「日記には書かないことがこれからどう作用するのか楽しみですね」「大厄は絶対来ますよ。レールがパキッと変わる音が聞こえます。でも多くのひとが乗り越えてきたことなので、たのしみにしてるといいかもしれませんね」といった言葉が印象に残っている。

パラパラと中を見て、これ真剣に読んだら絶対に泣くやつだなと思った脇阪詩乃さんの『わすれものたちの本』など6冊購入。「これちゃんと読んだら絶対泣くなと思ってヤバかったです」と山下さんに伝えると、本には書かれていない、さらに泣けそうなエピソードを教えてもらった。帰りの新幹線で泣かないようにしながら読もう。

京都に来たらまた必ず来ます、と伝えて店を出る。

京都駅までのバスの中で、早くもこの京都滞在を反芻し始めていた。なにかを経験して、明確な答えがバーンと見つかることは滅多にない。考えの幅が拡がるだけだ。そういった意味で、この短い京都滞在は考えの幅がかなり拡がったと思う。これからも考え続けるしかない。

京都駅でモカボンという珈琲菓子屋を見つけてしまい、コーヒービーンズを購入。「モカ」と名のつくものを簡単に買ってしまいがち。

新幹線に乗ると、日記を書いたり本を読んだり寝たりして、あっという間に博多に着いてしまった。

帰宅して、妻とラーメンを食べに行き、荷物の片付け。

20時過ぎ、いよいよDawn Societyが公開された。すでに数人投稿しており、これからたのしみ。21時ごろ下書きにしていた日記を投稿。自分の先週の日記なのに、すでに忘れていることが多々ある。これから1年間、どうぞよろしくお願いします。